今日は七夕。
たち、へ組のメンバーは浴衣を着て集まっていた。
みんな可愛いなぁ、と思わず顔がにやけてしまう。


「千里ちゃんの浴衣可愛いピンクね」
「あなたの水色も、素敵よ。」
「だいぶ皮肉が上手になりましたね」
「千里ちゃんも可符香ちゃんもとっても可愛いよ!もちろん糸色先生もナイス浴衣!」


糸色先生が浴衣姿でやってきた。
いつもの袴姿も良いけど、浴衣もセクシーでいいですね!


さんは例外として・・・、色がついてたらキレイでしょうね」


先生がそう言うので、たちは顔に見合わせた。
何のことを言っているのだろうか?
「でもこれも仕方ないのです。人間、なぜか本筋以外のことに目がいってしまう生き物なのです」と先生は続ける。


「というか最近、私が本筋以外のことに目がいって仕方ないのです!」


そう叫ぶ先生はその例を挙げていった。
映画の内容よりもキムタクのヒゲの位置が気になったり、事件の内容よりも容疑者の珍名が気になってしまうらしい。
「おかげで私の中では、キムタクのヒゲの位置が高い、と言うだけの映画です」と先生は遠いところを見て言った。


『事件現場よりお伝えします!』


そのとき丁度近くにあった売り物のテレビから緊迫した声が響いた。


「何か近所であったみたいですね」


がそう言うと、みんながテレビに視線を映した。
『犯人はこのような逃走経路をたどったと思われます』とテレビの向こうでアナウンサーのおねえさんが言った。
おねえさんの周りには野次馬が出来ていて、人がたくさんいた。
何気なくその野次馬を眺めていたは、思わず目を見開く。
なっ何だ!あの変なシャツは!!
見覚えがある少年が来ているTシャツが、なんとも言えない柄だったのだ。
何でそれをチョイスしてしまったのか、彼のことが変に心配になってしまった。


「事件の中身より、後ろに映っている少年の珍妙なシャツが気になってしまうのです!」


糸色先生がそう言ってに「何の事件でしたっけ?」と聞いてくる。
「変なシャツの少年がちらちら見ているという事件でしたよ」とは答える。
そうだったよね?アナウンサーのおねえさんと少年のことしか覚えてないよ!


「絶望した!本筋以外が気になる国民性に絶望した!」


先生が絶望してそう叫ぶと「こんにちわ」と遅れてあびるちゃんがやってきた。
「こないだ近所でご不孝があったんですけど、喪主のアニメ声が気になって気になって」とあびるちゃんが言う。
確かに、あるかもしれない・・・。


「とにかく人は本筋以外の所が気になって仕方がないのです!」
「ありますよねぇ、本筋以外の所が気になっちゃう事」


先生の言葉に続いて、奈美ちゃんが「クレープ屋さんで」と言葉を続ける。
が、「普通」と先生に言われてしまっていた。
奈美ちゃん頑張れ!

そんな今回の本筋以外が気になるあなたへ――以降はちゃんのどうでもいい話をお送りします。

本筋以外のことが気になるみんなはその話で盛り上げっている。
そしても、本筋以外のことが気になってしまった!
糸色先生に女性物の浴衣を着せたらきっと似合う!!
そんな邪なことを思いついてしまったは、それを実行するべく先生に声をかけた。


「糸色先生!ちょっと家に忘れ物したのでとってきますね!」
「えっ、さん?」


そう言い残しては走り出す。
家に戻って先生に似合いそうな浴衣一式を紙袋に入れては家を飛び出した。
先生たちの元へ急ぐ最中、「さん?」と声をかけられた。
立ち止まってその声のする方へ振り向くと、白衣姿の命先生がいた。


「えっと、さんであってるよね?」
「え、はい、です。どうしたんですか命先生」
「いや、ちょっと気分転換に外に出たら君が通りかかったので」


そう言うと命先生は「ちょっと失礼しますよ」と言っての帯に手を伸ばした。
何だろうと思っていると「帯が解けそうです」と言わた。
どうやら、命先生は帯を締め直してくれているようだった。
背中側のことなのでよくわからなかったが、最後にきゅっと帯が締められた。


「はい、これでいいですよ」
「ありがとうございます!全然気がつかなくて」
「いえ、それより急いでいたんでしょう。いいんですか?」
「そうだった!この浴衣、望先生に着てもらおうと思ってるんです!」


そう言っては持っていた紙袋をかかげた。
その中身が見えたようで命先生が「女性物・・・」とつぶやいたのが聞こえたけど、そんなの気にしません!


「ありがとうございました、命先生!」
「えぇ、気をつけて」


がまた走り出すと命先生が手を振ってくれていたので、も振り返す。
さぁ、急いで望先生の元へ行かなくては!
素敵な夜はまだまだこれから!!