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が学校へ向かって歩いていると可符香ちゃんが少し先を歩いているのが見えた。 彼女に駆け寄ってあいさつを交わすと「お」と可符香ちゃんが声を上げた。 彼女の視線を追ってその場所を見ると「糸色病院」という看板があがっていた。 あぁ、先生のお兄さんの病院だ。 何やらすごい行列ができていて、たちは顔を見合わせて病院へと向かう。 「「おお」」 「なんと絶命先生の病院が流行っている!!」 「可符香ちゃん、何か楽しそうだね」 「そんなことないですよ」と笑う可符香ちゃんと一緒に病院内へと足を進める。 「はい、次の方どうぞ」とカルテを片手に椅子に座っている命先生が見えた。 「殺せ!俺を殺してくれ!」と息も荒い患者が大きな声を出していた。 乾いた笑みを浮かべた命先生は「お前らみんな帰れ!」と叫んだので、たちもその場を退散した。 病院を出たところに千里ちゃんが居たので事情を説明する。 「絶命先生の病院が、死にたくなってる五月病患者に大人気?」 「そう、縁起悪い名前が逆に幸いしちゃったみたい」 がそう言うと「ほんと、何がどう好転するか分からないよね」と奈美ちゃんが言った。 いつの間にかへ組のみんなが集まってきていたようだ。 『オレが死ねる医者としてネットで火をつけた』 芽留ちゃんが携帯を見せているので画面をのぞくとこんな言葉が。 芽留ちゃんが犯人だったのか、命先生かわいそうに・・・。 「これは完全な」 「先生」 「焼け太りじゃないですか!」 「焼け太り?」 糸色先生も自然と合流して、たちは先生が指さす一軒の家を見た。 「ご覧なさい、あのお宅を」 そのお宅というのは「昨年業火に見舞われ全焼したが、多額の保険金が入って豪邸が建った」というお宅なのだそうだ。 表札を見ると「万世橋」となっている・・・知り合いに居たっけ? 「これが焼け太りですよ!」 そう言う先生は「家屋に限らずこの国は実に焼け太りが多いのです!」と続ける。 抗議を受けた事によりCDがバカ売れしたり、スキャンダルを起したタレントの仕事が増えたりしているらしい。 「絶望した!焼け太り社会に絶望した!!」 糸色先生が絶望しているとまといちゃんが「ここはそんな焼け太りで建った豪邸が並んでいる高級住宅地」と説明する。 焼け太りっぷりを聞きに各ご家庭を訪ねてみるとこととなった。 「ごめんください」 ピンポンとまといちゃんがチャイムを鳴らすと住民の方が現れた。 「焼け太っちゃいましたか?」と彼女が聞くと「焼け太っちゃいました」とご主人が答えた。 このご主人は、選挙に落選するも逆に名が売れて着ボイスになっちゃったらしい。 何軒のお宅でも「焼け太っちゃいました」と言う声があがる。 それを聞いて先生が「むうっ・・・」と可愛らしくうなった。 「みな隙あらば焼け太る!」 「悪いことじゃありませんよ、『災い転じて福となす』古くから日本にあることわざですよ」 そう言って可符香ちゃんは「この際皆さん、焼け太っちゃいましょうよ」と言って微笑んだ。 「「へっ?」」 思わず先生と同時に疑問を口にしてしまう。 「どこからともなく訴えられる発言をしましょう!」 可符香ちゃんは「おっぱい出してPTAから抗議を受けましょうよ!」とカエレちゃんに言ったり、「mixiでうっかり発言してみましょうよ!」と芽留ちゃんに提案している。 「ここは守りに入りましょうよ!」 そう先生が言うと可符香ちゃんがぴたりと止まった。 「そんなに怒鳴らなくたっていいじゃないですか」と静かに言ったあと「私はただ皆さんの価値を高めようとしただけです」としょんぼりとしてしまった。 これには先生もも慌ててしまった。 泣かせてしまうんじゃないかと思い「あ、いや、その・・・」などの言葉しか出てこない。 先生が「すいません、私が言い過ぎました」と言うと可符香ちゃんが「じゃあ、先生焼け太ってくれますね」と可愛らしい笑顔で言った。 あれ、先ほどのしんみりはどこへ? 「何の仕打ちです、これは!」 「がけっぷち先生として注目を浴び、全国から『私が引き取りたい』と大人気必至ですよ!」 「むしろが引き取りたい!」 「さん・・・」 そう言って見つめ合ってロミオとジュリエットごっこをしていると、大きな網を持った人たちがやってきた。 結局先生は網で救出されたのでした。 「あんな恐ろしい目にあったのに、焼けっぱなしじゃないですか!」 可符香ちゃんにそう言う先生は、「迷惑先生」等と色々言われてしまったようだ。 「吉報です!お兄様が、R指定されましたわ!」 倫ちゃんが現れて楽しそうにそう言った。 先生の背中には「R-15」の文字が! 「どうしたの?」と声がするので見ると交くんが来ていた。 すると千里ちゃんが「先生はR-15指定なので、交くんは見てはいけない!」と言う。 「法律で死刑になるわよ」と言われた交くんはぷいんと先生から視線を逸らす。 「ちょいと、交くん?」と先生が笑顔で近づいても交くんは先生を見ようとしない。 逆に人気がなくなったのでは? 「お兄さまのレベルが上がりました、R-18指定になりました」 キーンコーンとチャイムが鳴って糸色先生が教室に入ってくる。 「それでは授業を始めます」と先生が言うがみんなぷいっと先生から視線を逸らす。 「あの・・・みなさん」と先生が言うが誰も先生を見ようとしない。 すると先生がの前までやってきて「あの、さん?」と言うが、先生を見ることはできないんです! 「これはいじめです!完全ないじめです!」 「たちは17歳なのでR-18指定された糸色先生のこと見れないんです」 「2留しているでしょう、あなた達は!」 「あ、そっか」と思ったが、困っている先生が可愛いのでしばらくそのままで。 |