外からワァーって声が聞こえている。
相当盛り上がっている様子の体育祭を想像しながらたちは正座をし、糸色先生と向き合う。


「なぜ我々は不参加なのですか?」
「我々はどちらかというと文化系なので」


「文化系の体育祭を行います」と先生が立ち上がる。
「何ですか、それ?」と聞けば、体育会系の方々と一緒に体育祭なんんてしたら大変だと力説された。
そして先生は徐に着物に手を掛け、右肩を曝け出す。


「これは中2の体育祭での傷」


えっ、ちょっと・・・先生!
そんな破廉恥なっ!とが思っていると先生は袖をまくって「これは高1のときの」と傷を見せた。


「そして我が妻となるものはさらにおぞましき物を見るであろう!」
「先生!奥さんじゃなきゃ見せてくれないんですか!!」
さん!自重して発言してください!!」


勢い良く挙手して大きな声で言ったので、先生もつられて大きな声でそう言った。
周りで何人かがため息をついたのが聞こえた。
それよりも、気になる!
糸色先生にどんな秘密があるのか、『妻』にしか見せられないものって・・・何ですか!?
そう思っていると隣に座っていた晴美ちゃんが「ちゃん、にやにやしちゃ駄目よ」と小さい声で言ったので、は慌てて姿勢を正した。


「我々は我々だけで、文化系体育祭を開催するに至ったのです!」


そう宣言した先生に奈美ちゃんが「文化系体育祭ってどんなのですか?」と最もな意見を言った。
すると先生は今年のプログラムを挙げていった。
どこがお得な住宅ローンかを競う『借りもの競争』やチェーンメールによる『伝言リレー』、インターネットによる『応援合戦』など・・・そんな種目やりたくないです。


「だったら体育会系文化祭もあるんですか!」


千里ちゃんが何故か定規片手に先生にそう聞いた。
「もちろんあります」と先生は言い、昨年のプログラムを読み上げる。
全店フードバトルな模擬店とか石の漫画を発表する漫画研究会、16連打でスイカを割る体育会系ゲーム研究会などがあった。
「それは・・・体育会系文化祭っぽいですね」とが言うと近くに居た奈美ちゃんが「たしかにそうかもしれないけど」と嫌そうに言っていた。


「そして我々文化系の中においても理系と文系に分かれなくてはならないのです」


「世の中全ての物事は理系・文系・体育会系の3つに分けられるのです!」と糸色先生は言い、コンビニの飲み物で分類を始めた。
ブラックコーヒーは理系で緑茶が文系でスポーツ飲料が体育会系らしい。
「ポ○リは文系、アク○リアスは理系の匂いがします」と先生は遠くを見ながら言った。
「基準がよくわからないんですけど・・・」と聞けば週刊漫画雑誌の分類を挙げていった。
そこまで言ってもらってもいまいち基準がわからない。
そして恋愛の分類が始まり、犯罪的な物のあったがあえて何も言わなかった。
は・・・体育会系に近いかな?
何だか悲しくなってきた・・・。


「恋といえば皆さんお年頃で興味津々の、キッスとかも」


頬を赤く染めた先生は可愛らしかったが、文系の写真にキスや理系の間接キスというのを聞いてそれどころではなくなってしまった。


「体育会系のキスは何ですか?」
「投げキッスですよ、さん」


「体育会系のキッスが投げキッスなんて、可愛いですね」と奈美ちゃんが聞くと「可愛いなんてことありますか」と先生が否定した。
そして「ほら、来ました!」と外に視線を移した。
するとひゅるるるるると音が聞こえて、それが段々と大きくなっていった。
不思議に思って外を見るといかにも体育会系の男の人がこちらに向かって飛んで来ていた!
突然のことに皆慌てて避けると、その人はずぼっと音を立てて床を突き破って刺さっていた。


「体育会系のキッス、投げキッスです!」


と先生の声が聞こえていたがたちは次々に飛んでくる投げキッスを避けるのに必死だった。
も慌てて逃げていて前を見ておらず、床に刺さっている人にぶつかって転んでしまった。
「やばい」と思ったときには投げキッスがこちらに向かって飛んできていて、は思わずきつく目を閉じた。


さん!危ないっ!!」


近くで糸色先生の声が聞こえて目を開けると、目の前に先生が立っていてに向かって飛んできていた投げキッスを喰らっていた。
「先生・・・助かりました、ありがとうございます」とお礼を言うと「当然のことをしたまでですよ」と笑顔で返された。
そう言った先生はかっこよかったが、その間にも投げキッスは飛んできていて先生は何度も喰らっていた・・・。


「その他ゲームとかも3つに分類できますね」


「喰らってるなよ。」と千里ちゃんにつっこまれる程、先生にはキスマークがたくさん付いていた。
ゲームを分類し、分類の一覧を見せてもうとしっかりと分かれていないものがあった。
「最近、その棲み分けがおぼろげになってきているのも事実です」と先生はおぼろげな物も例を挙げていった。
「ニートと引きこもりも世間的には境界線あやふやになってきてますし」と先生が言うと体育倉庫の戸が開いて霧ちゃんが現れた。
霧ちゃん・・・そんな臭そうなところに引きこもらなくてもいいのに。
「私は働く気あるよ」と言う霧ちゃんに「働かなくてもいいよ!が養ってあげるから!!」と言いそうになってしまうのはだけだろうか?


「でも一番ムカツクのは、文化系のくせに運動できるやつ!」


千里ちゃんがそう言って晴美ちゃんをみる。
すると外から「危ない!」と言う声が聞こえて、サッカーボールが晴美ちゃんに向かって飛んできていた。
晴美ちゃんはすっと避けて足でボールを受け止めるとそのまま「危ないよ」と言ってボールを蹴り返した。
晴美ちゃん、凄い・・・。
「何か」と平然と答える晴美ちゃんの昔の話を千里ちゃんがした。


「ムダに運動神経持たないでください!」


「そんなムダなんかじゃありませんよ」と叫んだ先生に可符香ちゃんが言った。
そして晴美ちゃんの運動神経が存分に発揮されている映像を見た、晴美ちゃん・・・凄すぎ。


「オチにも分類があるんですか?」


さん、もちろんですよ。文化系のオチ、夢オチ!理系のオチ、しっぺ返し!」と先生は言って「境界線があやふやになってきている今、我々に体育会系のオチがやってこないとも言えないのです」と心配そうに言った。
「体育会系のオチって?」とあびるちゃんがそう言いながら、壁にもたれ掛かったときにカチっという音が聞こえた。
そしてボンっと爆発が起こったのだった。
は爆風の中叫んだ――


「爆発オチかよ!」